ヤマト運輸羽田支店では、道路交通法改正による駐車違反の取締り強化の影響で、車両を駐車する場所の確保が難しくなったことから、2006年の半ば頃からPAS GEARを導入し始めたそうです。

「そもそもヤマト運輸では、1997年より台車等で集配業務を行うサテライトセンターを増設してきました。これは、車両の利用をなるべく減らし大気汚染物質やCO₂の排出量を削減したいという環境的な側面に加え、駐停車しにくい都市部や住宅密集地域では、半径400メートル前後の限られたエリア内であれば、台車による集配のほうが車両よりも効率がよく、お客さまの要望にきめ細かく迅速に対応できるからなんです」とお話くださるのは新東京主管支店営業企画課課長・中野英二さんです。

中野さんによると「一般の個人住宅が過半数を占める当支店の集配エリアでは、“午前中”指定のお荷物をお届けする際、10時を回ってしまうと在宅率が、がくんと落ちてしまう」そうです。

そこで、“午前中”指定の荷物をなるべく10時前にお届けするため、手数を増やして短時間で効率よく配ろうと、新スリーター（リヤカー付きPAS GEAR）の導入を進めているのです。

「密集した住宅地で機敏に、そして台車よりも移動距離や積載効率を伸ばせるPASの利便性の高さがいいですね。今後も増車していきたいです」

車内にいるのとは違ってPAS GEARでは、常に顔が見えていることから、配達途中で馴染みのお客さまに会えば挨拶したり、あとで配達に伺う旨をお伝えしたり、時には“集荷に立ち寄って欲しい”など、お客さまから声を掛けて下さることもあるそうです。

「気軽にコミュニケーションできるのも新スリーターの魅力です。ゆとりをもって笑顔でお客さまに接し、自然と地域に溶け込めるのは、もしかしたらPASが身体的負荷を幾分和らげてくれるからかもしれませんね」（中野さん）