事例紹介

五條市消防団様(奈良県五條市)

タフなオフロードテイストのスクーター「BW'S」導入で
きめ細かく迅速に広範囲の捜索が可能

平成25年から3年計画で、23分団ある消防団のうち、女性のみの分団1つを除く22分団に艤装した「BW'S50」を随時導入。平成27年度に予定通り22分団に1台ずつ配置された五條市消防団の事例をご紹介します。

導入背景 - 紀伊半島大水害に二輪車の有用性を再認識

平成23年、台風12号の影響による豪雨によって大規模な土砂災害が発生、五條市南部の大塔町では甚大な被害を受けました。その際、「狭隘な道をものともせず、AED等を積載して走り回る救急バイクが被害状況調査等で大活躍している姿を目にし、二輪車の有用性を改めて実感。

市内の消防団にも二輪車があったら何かの際に便利にちがいないと導入が検討されたと前任者より聞いています」と導入の経緯について説明くださったのは、五條市役所危機管理課の畠山さんです。

お話を伺った五條市役所危機管理課・畠山喜充さん

「BW'S」を選んだ理由・その1 - 二輪車の機動力

紀伊半島大水害時に目の当たりにした二輪車の機動力の高さが、今回の「BW'S50」導入の最大の理由とのことですが、まさに日本自動車工業会二輪車特別委員会では、この10月に『安全安心な社会づくりに二輪車を活用する』という防災や災害時に活動するバイク隊を特集したパンフレットを作成。全国の自治体に配布し、二輪車の活用を訴求していこうとしています。

このパンフレットでは、渋滞時の時間ロスが回避できる「迅速性」、四輪車が通行できない場所も走破する「機動性」、優れた「燃費性」が、災害時に有効なバイクの特性であり、それらを活かして消防や消防団を始め、警察、国土交通省、地方自治体が、災害時に被害状況の情報収集や救助活動などに利用した事例を掲載しています。

『安全安心な社会づくりに二輪車を活用する』(日本自動車工業会二輪車特別委員会)

「BW'S」を選んだ理由・その2 - タフな足回り

地域の有志からなる消防団では、同じ二輪車でも、普通二輪免許や乗りこなすのに訓練が必要とされるオフロードバイクではなく、誰もが気軽に乗れるモデルを望んでいました。とはいえ「平坦な市街地のみならず、住宅が密集した狭い裏道や多少の悪路を走行することも視野に入れてモデルを検討しました」(畠山さん)

そこで普通自動車免許で運転可能な原付1種クラスでありながら、オフロードテイストの前後120mm幅のファットタイヤに180mm径のウェーブ形状フロントディスクブレーキ、大径42mmアウターチューブ採用のフロントフォークなど、タフなイメージのある「BW'S50」が選ばれたそうです。

奥に写る小高い丘にも入って行く可能性もあるので、小回りの効くサイズながらも足回りがしっかりした車両として「BW'S50」が選択されました

導入成果 - 広報活動にも有効

「年配の方が行方不明になってしまった時の捜索や春・秋、年末の火災予防運動の広報活動、防災フェアでの展示や合同訓練に使用しています。消防団のみなさんが出動しない方が好ましいことが前提ですが、捜索時には、小回りが利いて便利と聞いています」と畠山さん。

今後も二輪車の機動力を活かした迅速な捜索活動と、防災を呼びかける広報活動に広く活用していくそうです。

User VoiceBW'Sの導入で“迅速に広範囲にきめ細かい捜索”が可能に

第1方面隊6分団 団長 安島俊一さん

「普段からバイクに乗り馴れているわけではないのですが、BW'Sは乗りやすいですね。年配の方が行方不明になったときの捜索に出かける際、従来は2トン消防車か徒歩で出かけていました。狭いところでは車から降りて徒歩で入って行かなければならなかったのですが、BW'Sであれば2トン車では入って行けないような場所にもすいすい入って行けます。

この辺は柿の木畑も多いのですが、そんな小高い山道もスムーズに移動可能。徒歩ではカバーできなかった広範囲と、四輪車では見落としてしまいそうな狭い道にも入り込んでいけるので、BW'Sが導入されてからは、“迅速に広範囲にきめ細かい捜索”が可能になりましたね」

お客様プロフィール -
五條市消防団第1方面隊6分団様

五條市内に23分団ある消防団のうちの一つ、市内中心部の宇智地区をカバーする第1方面隊6分団。団長の安島俊一さんを筆頭に約30人の消防団員のみなさんが地域防災を担っています。

導入車両 - 50ccスクーター「BW'S(ビーウィズ)」

2灯式ヘッドライトや120mm幅広ファットタイヤなどを採用し“タフ&コンパクトSUV”をコンセプトとする50ccスクーター「BW’S」。業務用モデルではありませんが、今回特別に消防団用に朱色に塗装、消防団章や消防団のステッカーを添付する他、フロントヘッドライト斜め下に小さい赤色灯を装備するなどの艤装を施しています。

  • 市販車の「BW'S」をベースに消防用の朱色に塗装。

  • 消防団章や消防団のステッカーを貼付。

  • 赤色灯も装備。

  • ご当地ナンバーには、金剛山・吉野連山の山並みを背景に、収穫量日本一の名産品・柿、“五條のやな漁”が行われる吉野川と鮎が描かれています

【2015年10月取材】

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