
「企業としての成長を維持しつつ、2012年度のCO2排出総量を2002年度比で99%に抑制、原単位CO2排出量を30%削減する」という高い目標を掲げているヤマト運輸さんでは、2002年に東京都練馬区のとある集配センターでの発案を皮切りに、専用のリヤカーを牽引した電動アシスト自転車を日本全国で約2,200台導入しています(2010年6月現在)。この「新スリーター」と呼ばれるリヤカー付き電動アシスト自転車は、環境効果にとどまらず、集配効率を高め、また、違法駐車や交通渋滞の解消など、人と町にやさしい集配システムの一端も担っています。
今回は、そのうちPASを14台活用している東京都大田区の羽田支店にお邪魔し、その導入背景や使用状況など、新東京主管支店営業企画課課長の中野英二(なかの・えいじ)さんと、実際に集配業務に使用しているセールスドライバー田中洋美(たなか・ひろみ)さんにお話を伺いました。
羽田支店では、車両を駐車する場所の確保が難しくなったことがきっかけで、2006年の半ば頃からPASを導入し始めました。
そもそもヤマト運輸では、1997年より台車等で集配業務を行うサテライトセンターを増設してきました。これは、車両の利用をなるべく減らし大気汚染物質やCO2の排出量を削減したいという環境的な側面もありますが、駐停車しにくい都市部や住宅密集地域では、半径400メートル前後の限られたエリア内であれば台車による集配のほうが車両よりも効率がよく、お客さまの要望にきめ細かく迅速に対応できるからです。
また、一般の個人住宅が過半数を占める当支店の集配エリアでは、「午前中」指定のお荷物をお届けする際、10時を回ってしまうと在宅率ががくんと落ちてしまいます。そこで、「午前中」指定のお荷物をなるべく10時前にお届けするため、手数を増やして短時間で効率よく配ろうと、密集した住宅地で機敏に、そして台車よりも移動距離や積載効率を伸ばせる新スリーター(リヤカー付きPAS)の導入を進めているのです。現在、14台導入していますが、今後も増車していく予定です。
新スリーター(リヤカー付きPAS)ですと運転免許が不要なので、入社して誰でもすぐに乗ることができます。電動アシスト付きで坂道も軽快に上ることができ、女性のスタッフも増えています。女性スタッフには声を掛けやすいのか、荷物も良く集まるようになりましたし、最近は一人暮らしの女性も多く、「配達員が女性で良かった」という声もいただいています。PASの導入は、効率化だけでなく、さまざまなメリットを生み出しているのではないでしょうか。
(田中さん)
台車で集配していた頃に比べたら、とても楽ですね(笑)。しかもPASは、機動力が高いのでサービス力アップに役立っています。効率よく配達するため、事前にルートを組んで出かけますが、「今すぐ集荷に来て欲しい」「何分後に再配達希望」など、突発的に配達順序を変更しなければならないケースが多々発生します。そんな時PASですと、あちこち行くにも小回りが効くし、狭い道もス~イスイ。なんといってもアシスト力がしっかり効いて、リヤカーを引いたまま同じ道を何度も行ったり来たりするのが苦になりません。重い荷物を積んでいても迅速に柔軟な対応ができ、お客さまに喜ばれています。そうそう、PASはバッテリーの持ちがいいので、充電する手間も少なくて済むんですよ。
また、集配先の玄関先までPAS一台で行けるのも便利ですね。さらに、顔が常に見えていますから、お馴染みのお客さまに会えば挨拶したり、あとで配達に伺う旨をお伝えしたり、時には「集荷に立ち寄って欲しい」など、お客さまから声を掛けて下さることも。気軽にコミュニケーションできるのも魅力です。こうして、ゆとりをもって笑顔でお客さまに接し、自然と地域に溶け込めるのは、もしかしたらPASが身体的負荷を幾分和らげてくれるからかもしれませんね。
お客さまが電気を安全・安心にお使いいただくためのサービスをお届けする関東電気保安協会様。またその中で、環境に優しい事業運営を目指し、地域への社会貢献活動や 職員への働きやすい環境づくりも積極的に行っている会社でもあります。
電気の安全調査を行う調査部では、職場で働く調査員の大切な移動手段は自動車やスクーターなどさまざまですが、事業コストの見直しや、駐車スペースや交通問題の解消などの背景もあり、現在では電動アシスト自転車を関東全体で約250台導入しています。
今回は、12台のPAS GEARを活用している関東電気保安協会・渋谷事業所へお邪魔し、PAS導入にあたっての背景や狙いなどについて調査本部主任の高橋克巳(たかはし・かつみ)主任と、渋谷事業所の漢那佑介(かんな・ゆうすけ)さんと狩野拓也(かのう・たくや)さんにお話を伺いました。
私たちの調査部は、一般家庭や商店など低圧で電気を受けているお客さまの電気の安全調査に一軒一軒定期的に訪問するのが主な仕事です。一日当たり相当な軒数を回ることになるため、自動車、スクーターなどを業務車として使用していますが、約10年前からPASを導入しています。導入のきっかけはいろいろありますが、ガソリンなどの燃料費がかからず、ランニングコストを抑えられること。また、駐車場などの道路事情に、それほど気遣うことなく、狭い道でも入っていけることが、弊協会では最も大きな決め手となりました。現在、この渋谷事業所でもPASを12台使用していています。
真夏の炎天下でも、あまり体力を消耗せずに移動できるので調査員の評判も上々で、たいへん満足しています。
(漢那さん)
私は世田谷区を担当していて、毎日多くのお客さまを訪問しています。PASの乗り心地はいいですね。アシストのおかげで出足が良くて、坂道でも安定して走ることができるし、長距離の移動も苦になりません。エンジンがついていないので、とても静かで、住宅街の中でも、気を遣うことなく走れます。訪問先のお宅の隅に駐輪もできるので、自動車と比べるととても便利ですし、小回りがきくのも、一般の家庭を訪問する我々の仕事にうってつけだと思います。
(狩野さん)
訪問調査に当たって、点検に使用する機材だけでも10kg以上の重さがあり、おそらく荷台に載せる荷物の総重量は20kg近くになると思います。普通の自転車の場合、フレームが歪んでしまうこともあるそうなのですが、PASの場合、フレームが頑丈で、そうした心配はまったくありません。また、荷物が重くても、アシスト力は十分。特に坂道では、力強さを実感できます。
高い耐久性や積載能力、最上級のアシスト力など、ビジネス専用に設計された「PAS GEAR」。今回は、新聞の配達用自転車としてPAS GEARを導入している、東京都江東区の東京新聞・毎日新聞砂町南部専売所へお邪魔し、店長の沓名美幸(くつな・よしゆき)さんとアルバイトの河内毬見(かわち・まりみ)さんにお話を伺いました。
新聞配達の仕事は、朝刊、夕刊の1日2回、前後に重い荷物を積んで、あちこちへ移動し、配達のために頻繁に乗り降りを繰り返します。そのため、少しでも従業員の体力的な負担が軽減されるようにと、2007年から電動アシスト機能の付いている「PAS GEAR」を導入しました。
現在、当店ではPAS GEARを2台所有しています。遠いエリアの担当はバイク、近場の担当は通常の自転車というように区分していて、PAS GEARはその中間エリア担当のスタッフが使用しています。
PAS GEARを使っているスタッフからは、重い新聞を載せていても踏み出しグンと力強くてとてもいい、坂道も楽に登れる、配達が楽になったと聞いています。
使い方にもよりますが1日2回使用して、充電は2日に1回程度です。コストの負担も手間も気になりません。車体もとても丈夫で、まだまだ買い換えるのは先のことになりそうです。
アルバイトとして入店してから1年半ぐらいになるのですが、ずっとPAS GEARを使っています。現在、私が、担当している配達エリアは100件程度ですが、朝刊は1部あたりのページ数が多く、折り込みチラシが入っていたり、配達箇所も多かったりして、とても重たいです。しかし、PASは踏み出しがとても力強いですね。それから坂道も座ったまま漕げることがとても快適です。
それから便利だなと思ったのが、パーキングストッパーです。私の担当エリアは坂道が多く、坂の途中にPASを停めて、お客様のお宅に向かおうとするとハンドルが動いて車体が倒れてしまいます。また、車体に荷物を載せているため重たく、起こす時も大変なんです。そこで、ハンドルの回転をストップできるパーキングストッパーは本当に助かっています。